【コラム】国産ワインと日本ワインの違い

フランスをはじめワインを作っている諸外国の多くは各国のワイン法でもって、ワインの呼称の仕方や格付けなどを規定していますが、日本では長らくそうした規定がありませんでした。

2015年になってようやく日本ワインの定義、及び表示のルールを決めるべく国税庁が基準を発表しました。国税庁というのが 一瞬“?”となりますが、酒税法の中で規定するので国税庁が管轄ということらしいです。ついでにですがワインは「果実酒等」という分類に当てはまるそうで、甘いリキュールを想像してしまって、これまたちょっと違和感ありますが、確かにぶどうから作ってるので「果実酒」でしたね(笑)。

酒税法の「果実酒等の製法品質表示基準」から日本ワインの定義は以下の通りです。

日本ワインとは、国内で収穫されたぶどうのみを使用し、日本国内で製造された果実酒のことをいいます。 表示基準では、国内で製造された「国内製造ワイン」と輸入された「輸入ワイン」とで区分し、さらに国内製造ワインのうち、国内で収穫されたぶどうのみを原料とした果実酒を「日本ワイン」に区分しています。

逆に言うと輸入ぶどうを使って国内で製造したワインは「国内製造ワイン(国産ワイン)」ですが「日本ワイン」ではない、と言うことになります。今まではこの辺があいまいだったと言うことです。また一般消費者的な目線では、日本の各地のワイナリーでしっかり作っているワインを買いたい時に「国産」という言葉に騙されてはいけませんよ、ということでもあると思います。

なお、少々マニアックになってきますが、、日本ワインの地名表示ルール↓

イ 産地で収穫されたぶどうを 85%以上使用し、収穫地と醸造地が同一である場合の産地名
ロ 産地で収穫されたぶどうを 85%以上使用し、収穫地と醸造地が異なる場合のぶどうの収穫地名
ハ 産地で収穫されたぶどうの使用が 85%未満である場合のワインの醸造地名

ぶどう品種の表示ルール↓

イ 単一品種を 85%以上使用している場合の単一品種名
ロ 2品種の合計で 85%以上使用しており、かつ使用量の多い順に表示する場合の2つの品種名 ハ 3品種以上の合計で 85%以上使用しており、それぞれの使用量の割合を併記し、かつ使用量の多い順に表示する場合のそれぞれの品種名

収穫年の表示ルール↓

同一収穫年のぶどうを 85%以上原料として使用している場合に、その収穫年を表示する ことができます。

要はラベルに産地や品種、収穫年の記載がある場合は85%以上該当するものが使用されているとざっくり理解しておくといいと思います。ちなみにフランスのワイン法AOCでは100%必要なのに対して、チリでは75%なので、日本は伝統のフランスよりはゆるいが、ラテンのチリよりは厳しい、ということですね。

実際の法律の施行は来年2018年10月30日からとのことですが、酒屋さんでワインを見る限り、現場での運用は結構すでにされている印象です。興味のある方は日本ワインを手に取ってラベルを眺めてみてください。

 

<ワイン会のご案内>
日本のワインはお土産ワインで美味しくないという印象を払拭するために、しっかりとした日本ワイン作りに励んでいらっしゃる広島の三次ワイナリーの醸造責任者の太田氏にお越しいただいてお話を伺いながら、一緒に飲む会を開催いたします。

12月13日(水)【生産者と飲み語る会】清流が育む品格あふれる日本ワイン〜三次ワイナリー〜 @日本橋Allegro

太田醸造長 (2)

少々マニアックなコラムを書いておいてなんですが、、、結局は美味しいかどうかが大事なので、興味のある方はお越しいただき、ぜひこだわりの日本ワインを感じてください。

この他にもCAMOS TOKYOではワイン好きの友達を作っていただける気軽なワイン会を開催しています。

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