開催レポート

【開催レポート】旅するイタリアワイン講座 フランチャコルタの造り手コンタディ・カスタルディを訪ねて

2021/03/30

旅するイタリアワイン講座 フランチャコルタの造り手コンタディ・カスタルディを訪ねてを開催しました。

サテンのアッサンブラージュ(ワインのブレンド)をする際は、愛する女性をイメージしながら行っているというお話が印象的でした。

お二人が食事されてたラルべルータにもぜひ現地に行かれた際にはご訪問ください。

■当日お答えしきれなかったご質問

Q:澱引きは手でやられてましたが、機械でやるよりも上品に出来るのでしょうか?

A:澱引きは最近は中堅以上のワイナリーでは機械を使うのが主流のようです。年間生産数100万本を超える場合は、手ではなかなか時間がかかるので最新の設備投資を行うケースが多いようです。(数千本単位であれば機械+人の手で行っているところももちろんございます)

●フランチャコルタ協会の参考動画(イタリア語)

4分ごろ~が該当のスボッカトゥーラ(澱引き)です

https://youtu.be/Ijsi7AbpxD0

動画は瞬時に王冠を飛ばし澱引きをして、門出のリキュール(ベースワイン+ブドウ由来の糖分)を充填しそのままフンゴ(きのこ型のコルク栓)とガビネッタ(針金)で止めるという工程になります。

私個人的には澱引きは機械でも手でもそんなに変わらないと思います。
むしろ、レムアージュ(動瓶)は違いが出るかもしれません。ただしあいにく同じキュヴェで手動と機械化という純粋に比較の対象がないので、実際の味にどのくらい差が出るのかまでは分かりません。

イタリアもフランスも中堅から大手と、小規模ワイナリーと
それぞれ設備投資できる額が当然違いますが、
単に設備投資額だけで味の勝負が決まらないのが欧州のワインの面白いところです。

みなさんが手作業にどんなイメージを持たれているのかわかりませんが
手で澱引きするということは、つまりこういう感じです↓
もうちょっとこなれた感じだとこんな生産者さんもいます
Champagne Boude-Baudin : Le Dégorgement - Bing video

他のシャンパーニュの生産者さんもプロモでやっています 相当大変そうです
Degorgement Nature - Champagne Tarlant - Bing video

シャンパーニュのピノ・ノワールで有名なMarie Noelle Ledru女史の例
上品か?と聞かれたらもちろん彼女のつくるシャンパーニュは上品な味です。
しかしマリ-さんの場合は単に澱引き工程だけではなさそうです。
それ以前にブドウ生産へかける手間やこだわりで9割がた勝負が決っているのではないでしょうか?マリーさんはシャンパーニュでピノ・ノワールの女王の異名を持つ博士号を持つ小規模生産者です。ピノノワールの栽培家として土地を熟知し、ピノノワールのみ生産することにこだわっているからこそ尊敬を集めています。

同様にイタリアでも最近はむしろ小規模生産者でも機械化できるところは積極的に機械化し、ブドウの生育や収穫時期に時間と意識を集中することを考える生産者が多いように感じます。

とはいえ手作り感がお好きな方、手作りに価値を感じる方はこんな小さな生産者のワインをいろいろ飲み比べてみることをお勧めします。(MARIE NOELLE LEDRUはほんの一例で日本未入荷のワインを海外から直接お取寄せ可能です(お問い合わせからご連絡ください)。

 

Q:Spaghetti だとどんな種類に合いますか?

A:フランチャコルタの泡や油分はクリームのこってり感をうまく洗い流してくれますし、サピディタ(旨味、ミネラル)はトマトや魚介の旨味を増幅して引き立ててくれますので、クリーム系やミートソース、魚介まで幅広く合わせられると思います。先日、ロゼとラザニアを合わせましたがぴったりでした。ぜひいろいろ試してみてくださいね!

 

Q:白は旨味があるので、和食にも合うと思いますが、どうでしよう?

A:はい、受講者様のおっしゃる通りですね。わたしも全く同感です。むしろ和食のためにあるのではないかと思うくらい相性抜群です。フランチャコルタ協会会長を務めたCONTADI CASTALDIオーナーのVITTORIO MORETTI氏も30年前から日本食が大好きで、特に刺身と天ぷらがお好きでフランチャコルタに合うとおっしゃっています。国を超えたアッビナメントの妙ですね。

【参考】雑誌VOGUE ヴィットリオ モレッティ氏のインタビュー

 

Q:フランチャコルタの生産者の方が好きな白ワインは何ですか?

A:もちろん、フランチャコルタの白です!(笑)なかでもエノロゴのジャンルーカ氏は、他社のワイナリーのワインでどんなワインが好きかというとそのワインを造った人間の意図(意志)が明確に感じられるワインが好きだとのことです。

どういうワインを造りたいのか、その人の個性が表れるワインが潔くて好きだとおっしゃっています。10人が10人美味しいと言わなくても、あの人らしいね、といわれるワインをつくることが大事という意味だということだそうです。

 

Q:ロンバルディア州なので、冷涼な気候で作られたワインを創造していましたが、サテンを飲んで納得しました。想像していたより程よいミネラル感でエレガントなシャルドネでした。、今頃の時季、ぶどう栽培において低温や霜による影響などもありますか?

サテンについて素晴らしい詳細なコメントありがとうございます。インタビューと当日のお話にもありましたとおり、フランチャコルタの地域は独特のミクロクリマで局地的に温暖な地中海性気候が生み出されております。
逆に裏返すとフランス北部のシャンパーニュ地方のシャルドネやピノノワールのようなシャープで堅固な酸が得にくい土地柄でもあるそうです。そのため真似するのは意味がなく自分たちのテリトーリオの固有の性格を反映したワインを造ることに専心しているそうです。

受講者様がおっしゃるとおり低温や霜の害はすべてのブドウ栽培農家にとっての脅威ですが、エノロゴのコメントにもありましたとおり年によっても異なりますので一概には言えないようです。

また余談ですが昨年は8月20日からやっと収穫を開始できたというエノロゴのコメントがありましたが成熟が畑の場所、日当たり、斜面ごとによって異なるのでその見極めが大変だそうです。

酸と糖度のバランスを目指す値まで待つこと、機が熟したら間髪いれずに収穫して醸すこと、180haが6つの地質で分散していますのでその計画と実行をなるべく科学的に行う方向にあるようです。まさに自然とブドウと人の総合芸術であると言えると思います。

 

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