ワインの学び② | アメリカ合衆国(オレゴン州・ワシントン州・ニューヨーク州)

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

前回の「ワインの学び① | アメリカ合衆国(カリフォルニア州)」はいかがでしたか?

アメリカワインの80%はカリフォルニア州で造られているとの事でしたが、残りの20%も気になりますよね?笑

という事で、今回はカリフォルニア州を除くアメリカワイン(オレゴン州・ワシントン州・ニューヨーク州)の基礎的な所をまとめます。

見かける事が少ないワイン産地ですが、とても注目されていますので、是非、最後まで読んで知って頂きたいです。

宜しくお願いします。

※アメリカの歴史やワイン法などは省略していますので、まだ前回の記事を読んでいない方は、こちらから宜しくお願いします。

目次

アメリカワイン

ワインの歴史は浅く新世界に分けられるアメリカですが、ワイン生産量は世界第4位、消費量は世界第1位のワイン大国です。

そして冒頭でもお話しした通り、アメリカワインのほとんどはカリフォルニア州で造られています。

ワイン産地の風土

今回はカリフォルニア州を除く、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州をご紹介します。

アメリカの地図

こちらの地図を見ながら読み進めて頂くと、わかりやすいかと思います。

オレゴン州

アメリカの中でも一番厳しくワイン法が定められているオレゴン州からご説明します。

カリフォルニア州の北に位置するオレゴン州の重要なブドウ栽培地は「ウィラメット・ヴァレーAVA」になります。

地図からもわかると通り、沿岸沿いにブドウ畑が広がります。

では、前回の記事にありました沿岸沿いの冷涼効果を覚えてますか?

冷涼効果

太平洋を流れるとても冷たいカリフォルニア海流による海風

冷たい海風の影響を受けるため、気候は涼しくなります。

そして、冷涼な地で栽培が向いてるブドウ品種というと…

ゆっくりと酸味を残しつつ、果実味を育てる事が必要なピノ・ノワールです。

ピノ・ノワールの銘醸地といば、ロマネ・コンティで有名なフランスのブルゴーニュ地方ですが、実はオレゴン州はブルゴーニュ地方と同じ緯度に位置します。

ブルゴーニュ地方と同じ緯度であり、同じ冷涼な気候のため、オレゴン州の半分以上はピノ・ノワールが栽培されており、ブルゴーニュ地方にも負けない、高品質なピノ・ノワールの産地として注目を浴びています。

ワシントン州

カリフォルニア州の次にワインの生産量が多いワシントン州はオレゴン州の北に位置します。

ブドウ栽培地は沿岸沿いでは無く、カスケード山脈の東側に多く広がり、重要なブドウ栽培地は「コロンビア・ヴァレーAVA」になります。

カスケード山脈の影響

雨陰に位置するため、雨が少なく1日の日照時間が長い

日照時間が長い事により、ブドウはしっかり熟す事が出来ます。

また、夜間はとても涼しくなるので、酸味を保ちつつブドウは成熟します。

カベルネ・ソーヴィニヨンを使った上品な味わいのワインやメルローを使って果実味しっかりのワインなど様々なブドウ品種が栽培され、ワインが造られています。

ここでメルローというブドウ品種について少しご紹介します。

メルロー

暖かい気候を好む黒ブドウ品種です。

しっかりとブドウを成熟させ、凝縮した果実味を楽しむワインや、完熟前に収穫して、フレッシュな果実味を楽しむワインなど様々なスタイルのワインがあります。

ニューヨーク州

アメリカの最後は東海岸に移りまして、ニューヨーク州です。

冬の寒さが厳しく、食用ブドウ(ヴィティス・ラブルスカ種)しか育たないと言われていました。

ブドウは食用向きとワイン醸造向きの2種類に大きく分ける事が出来ます。

ヴィティス・ラブルスカ種(アメリカ系品種)

湿った気候や寒さ、病気に強いブドウ品種。

ワインと言うよりは、生食用やジュース、ゼリーを造るために栽培される事が多い。

ブドウ品種:コンコード、ナイアガラなど

ヴィティス・ヴィニフェラ種(ヨーロッパ系品種)

雨や病気に弱いブドウ品種。

ワインの醸造に適しており、このブドウ品種から造られるワインは瓶内熟成により複雑味が増す。

ブドウ品種:シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど

ニューヨーク州の話しに戻しますと、寒さが厳しい環境のため、耐寒性のあるヴィティス・ラブルスカ種を栽培していたのですが、最近ではヴィティス・ヴィニフェラ種で上質なワインが造られており、注目を浴びています。

では、どのような場所でブドウが栽培されているかご説明します。

オンタリオ湖(湖)周辺でブドウは栽培されていて、重要なブドウ栽培地は「フィンガー・レイクスAVA」になります。

気温の上昇効果

湖の蓄熱によりブドウの生育期間を延ばす

オンタリオ湖の周辺には、細長い形をした湖がいくつか広がり、湖の蓄熱により11月ぐらいまで気温が上昇します。

その効果により、ブドウの生育期間を延ばすことが出来るのです。

ここでは特にリースリング(ヴィティス・ヴィニフェラ種)という白ブドウ品種から造られる、質の高いワインが注目されています。

リースリング

耐寒性が強く、冷涼な気候を好む白ブドウ品種です。

高い酸味が特徴的で、ワインのスタイルは辛口から甘口まであります。

質の高いワインは数十年もの熟成に耐える事が出来ます。

寒さの厳しいニューヨーク州にはヴィティス・ヴィニフェラ種の中でも耐寒性の強い、リースリングの栽培があってると言えるのではないでしょうか。

ワインのご紹介

冒頭でもお話ししました通り、まだ見かける事が少ないワイン産地ですが、とても注目されています。

ワイン名Dry Riesling 
生産者Dr.Konstanin Frank
テイスティングコメントレモンなどの柑橘系と白い花の華やかな香り。
高い酸味とミネラルの中に優しい甘みがある生き生きとしたワイン。
アメリカ ニューヨーク州 フィンガー・レイクスAVA

まとめ

今回の内容をまとめます。

  • オレゴン州で重要なブドウ栽培地、ウィラメット・ヴァレーAVAはカリフォルニア海流による冷風効果で涼しく、高品質なピノ・ノワールの産地として注目されている。

  • ワシントン州で重要なブドウ栽培地、コロンビア・ヴァレーAVAはカスケード山脈の雨陰に位置するため、日照時間が長くなり、しっかりとブドウが熟すため、様々なブドウ品種が栽培されている。

  • メルローは暖かい気候を好む黒ブドウ品種で、軽やかなテイストから果実味しっかりの味わいまで様々なスタイルがある。

  • ニューヨーク州で重要なブドウ栽培地、フィンガー・レイクスAVAはオンタリオ湖の蓄熱により、ブドウの生育期間を延ばす事ができる。

  • ニューヨーク州は寒いため、ヴィティス・ラブルスカ種しか育たないと言われていたが、最近はヴィティス・ヴィニフェラ種も増え、特にリースリングで高品質なワインを造っている。

  • ヴィティス・ラブルスカ種は病気などには強いが、ワインよりは食用向き、ヴィティス・ヴィニフェラ種は病気には弱いが、瓶内熟成により複雑味が増す、ワイン向きのブドウ品種。

  • リースリングは耐寒性に強く、冷涼な気候を好む白ブドウ品種で、甘口から辛口までスタイルは様々、質の高いワインは何十年もの熟成に耐える。

カリフォルニア州以外のアメリカでも高品質なワインが造られている事が伝わると嬉しいです。

次回

次回はアメリカの北に位置するカナダについてご説明したいと思ってます。

お楽しみに!

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