CAMOS TOKYOスタッフのTerryです。
2023年10月に酒税法が改正される事で、様々なアルコール飲料の税額が変わります。
この記事では、今回の酒税法改正によってワインの価格がどう変わるのかについて、お酒に関わる3つの税金の解説から、変更内容の詳細、そしてアルコール飲料全般の税金が今後どう変わるのかまで丁寧に説明します。
この記事を読めば、酒税の今回の改正だけでなく未来も分かるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
【基本】ワインにかかる税金は3つ
ワインにはそもそも3つの税金が設定されています。
まずはどんな税金がかかっているのかを簡単に見てみましょう。
1. 消費税
言わずと知れた消費税。
ワインを含むアルコール飲料にかかる消費税は10%です。
ちなみに軽減税率(8%)が適用されていると思っている方もいらっしゃるのですが、食料品の軽減税率は「酒類・外食を除く飲食料品 ※1」が対象なので、アルコール飲料は明確に対象外となっていますね。
※1 国税庁「軽減税率制度の概要」より引用
2. 関税
海外からの輸入品にかかる税金です。
税額は相手国やワインの酒類によって非常に細かく分かれています。
ワインに関する関税の最近のトピックとして、2019年に日欧EPAという協定が発効された事により欧州からの輸入ワインにかかる税金が撤廃(0円)となりました。
また関税は輸入品にかかる税金なので、国産ワインを国内で購入する場合には関税はかかりません。
3. 酒税
アルコール飲料に対する税金です。
具体的には「アルコール分1度以上の飲料 ※2」と定義されているので、市販のアルコール飲料のほぼすべてが対象となります。
※2 国税庁「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達 第2条」より引用
2023年10月の酒税法の改正内容
今回改正されるのは3つの税金のうち酒税です。
改正対象はビール・新ジャンル・清酒・果実酒(ワイン)の4種類で、ワインは1本(750ml)あたり7.5円の上昇となります。
正確には1kl(1キロリットル=1,000リットル)あたりで税額が決められており、1klあたり90,000円から100,000円への上昇です。
ビール・新ジャンルなどその他の改正は?
ビール・清酒は税金が下がり、新ジャンルは上がります。
- ビールは350mlあたり70円から63.35円に(6.65円↓)。
- 新ジャンルは350mlあたり37.8円から46.99円に(9.19円↑)。
- 清酒は一升瓶(1800ml)あたり198円から180円に(18円↓)。
※出典:財務省「酒税に関する資料」
酒税法改正の理由と今後は?
一連の酒税法改正(税額変更)の狙いは、酒類によって異なる税額をある程度統一する事です。
酒類によって販売数や単価が異なるためいくつかの分類によって税額を分けていましたが、特にビール系飲料のように酒類が複雑化する事で分かりにくくなってきたため、それを統一する事が目的と謳われています。
次は3年後の2026年に変更が予定されており、ビールは税額が下がるものの、発泡酒は上昇、チューハイについても上昇する事となります。
※出典:財務省「酒税に関する資料」
まとめ
2023年10月の酒税法改正についてまとめてお伝えしました。
振り返ると、お酒には、消費税・関税・酒税という3つの税金がかかっており、今回は酒税に関する変更となります。
ワインは1本あたり7.5円の税額上昇、その他ビール・清酒は下がるものの新ジャンルは上昇となり、今後はチューハイについても税額上昇が予定されています。
総合して見ると、発泡酒や新ジャンル、チューハイといった安価で人気のものの税額を上げ、代わって人気の落ちているビールを下げる事で調整を図り、不随するかのように清酒・ワインについては大まかな調整を行った…というように感じますね。
みなさんはどう感じられましたでしょうか?
是非今後の動きに注目していきたいと思います。
NAO
CAMOS TOKYOスタッフ。
JSA認定ワインエキスパート / WSET LEVEL3 / チーズプロフェッショナル。