ワインの学び① | アメリカ合衆国(カリフォルニア州)

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

私事ですが、10月にワインの試験を控えている事もあり、今回は「ワインの学び①」と題しまして、ワイン生産量が世界第4位、消費量は世界第1位のワイン大国、アメリカの歴史やワイン法、ワイン産地の風土について基礎的な所をまとめました。

ワインを少し学びたいと思っている方、是非、最後まで宜しくお願いします。

ワインを飲む事が好きな方も、CAMOSでも人気がある「BREAD & BUTTER WINERY(ブレッド&バターワイナリー)」についても触れていますので、是非、最後まで宜しくお願いします。

目次

歴史

「新世界と旧世界」でもお伝えしましたが、アメリカは新世界に分けられ、ワイン造りの歴史は浅い国となります。

15〜16世紀、大航海時代にヨーロッパの修道士がアメリカの地で修道院を造り、ワインを造り始めたのがアメリカワインのスタートです。

1920〜1933年、禁酒法が施行され、ワイン産業は衰退します。

1934年、カリフォルニア大学デイヴィス校にブドウ栽培・ワイン醸造科が誕生し、ワイン産業は再び発展します。

1976年、「フランスワイン VS カリフォルニアワイン ブラインドテイスティング対決」というイベントが行われ、カリフォルニアワインがフランスワインに勝利します。(パリスの審判)

簡単ではありますが、このような歴史を経て、アメリカはワイン大国となりました。

※ワインの歴史をもっと知りたい方はこちらも読んでみて下さい。

ワイン法

品質を安定させるため、ワイン生産国には「ワイン法」という各国が独自に定めている規定があります。

基本的にはラベルに産地やブドウ品種、収穫年を記載する場合、どのくらい(何%)使われている必要があるかを規定しています。

アメリカはアルコール・タバコ課税及び商業取引管理局(TTB)が管理しており、産地は州(State)、郡(County)、畑(Vineyard)に分けられます。

そしてもう1つ、米国政府認定ブドウ栽培地域(A.V.A.)があります。

こちらは、土地や気候、地形などブドウの栽培地域に限り「境界線」を規定しています。

そのため、ラベル表示にはブドウ品種の規制は無く、産地とヴィンテージのみの規定になります。

ワイン産地の風土(カリフォルニア州)

アメリカワインの全生産量の80%はカリフォルニア州で造られています。

その他にワシントン州、ニューヨーク州、オレゴン州と続きます。

アメリカ合衆国の地図

今回はカリフォルニア州に特化して大事な所をまとめます。

カリフォルニア州は暑いイメージがあるかと思いますが、冷涼効果を与えてくれる要因があるため、力強いワインからエレガントなワインまで造っています。

冷涼効果①

非常に冷たいカリフォルニア海流による冷風効果

冷涼効果②

海岸山脈による高度効果

地図で詳しく見てみましょう。

カリフォルニア州の地図
3つの主要なブドウ栽培地域
  • ノース・コースト地域(ピンク)
  • セントラル・コースト地域(青)
  • セントラル・ヴァレー地域(ミドリ)

ノース・コースト地域

地図からもわかるように、海流の影響を大きく受ける地域になります。

その中でも重要な郡(County)をまとめます。

カリフォルニア州の地図を見ながら読んで頂くと、理解しやすいかと思います。

【ナパ郡】

沿岸沿いではありませんが、サンパブロ湾から吹き込むカリフォルニア海流の冷たい風により、冷涼効果が得られます。

そのため、サンパブロ湾に1番近い場所はとても冷涼で、離れる(上にいく)につれて気温は高くなります。

⭐︎冷涼なAVA:ロス・カーネロスAVA
 ※ソノマ郡まで続いてます

【ソノマ郡】

海岸山脈による丘陵地帯のため、多種多様な気候になります。

山脈の途切れている場所からは冷涼な海風が入るため、特に涼しいのも特徴的です。

⭐︎冷涼なAVA:ロシアン・リヴァー・ヴァレーAVA

セントラル・コースト地域

こちらもノース・コーストと同じく、海流の影響を大きく受ける地域になります。

基本的には沿岸部は冷涼で、内陸になると暑くなります。

【モントレー郡】

モントレー郡は角度的に、特に海流の冷たい影響を受けます。

セントラル・ヴァレー地域

海に全く面していないため、気温は高温になります。

ブドウ品種とワイン

アメリカで栽培されている代表的なブドウ品種とワインのスタイルをまとめます。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カリフォルニア州で最も広く栽培されている黒ブドウ品種です。

各地で栽培されていますが、晩熟のため、暖かい気候で最大限に成熟します。

そのため、先程ご説明したナパ郡でも上の方に位置する場所や、セントラル・ヴァレーで広く栽培されています。

ワインはしっかりとした果実味と樽から来るバニラを強く効かせた、力強い味わいが多くありますが、最近は濃厚では無いスタイルのワインも増えています。

ジンファンデル

カリフォルニア州の固有黒ブドウ品種です。

雨に弱く乾燥に強いため、暖かい気候を好みます。

カベルネ・ソーヴィニヨンと同じく、ナパ郡でも上の方に位置する場所や、セントラル・ヴァレーで広く栽培されています。

またセントラル・ヴァレーのサクラメント郡とサンホアキン郡にまたがってあるローダイAVAは、ジンファンデルの聖地と呼ばれおり、古木から素晴らしいワインを生み出しています。

ワインはとても豊かな果実味、アルコール度数が高く、やや残糖を持つ事もあるパワフルな味わいです。

ピノ・ノワール

萌芽(芽が出る)と成熟が早い黒ブドウ品種です。

こちらは暖かい気候で育つと、一気に成熟してしまうため、果実味だけが強く、酸味の無いブドウになってしまいます。

そのため涼しい気候で、ゆっくりと酸味を残しつつ、果実味を育てる必要がありますので、先程ご説明した、ナパ郡のロス・カーネロスAVAやソノマ郡のロシアン・リヴァー・ヴァレーAVA、モントレー郡で広く栽培されています。

ワインは酸味が高く、柔らかいタンニンを持つエレガントな味わいです。

シャルドネ

カリフォルニア州の各地で広く栽培されている白ブドウ品種です。

暖かい気候で育ったブドウからはトロピカルフルーツと樽から来るバニラ香り、果実味豊かな力強いワイン冷涼な気候だと、レモンや青リンゴの香り、酸味が高く爽やかなワインになります。

BREAD & BUTTER WINERY
(ブレッド&バターワイナリー)

お待たせしました!
CAMOSでも人気のBREAD & BUTTER WINERY(ブレッド&バターワイナリー)についてご紹介します。

カリフォルニア州のソノマ郡とモントレー郡に自社畑を持っていますので、カリフォルニア海流の影響を受ける、比較的涼しい気候にブドウ畑があります。

この2つの畑で収穫したブドウをブレンドする事により、複雑味のあるワインを造っています。

また、ワイナリー名からもわかるように、樽熟成を行いバニラの風味づけと、醸造の際に乳酸菌を使ってリンゴ酸を乳酸に変えるマロラクティツ発酵を行っています。

これによりバターの風味が生まれて、まろやかな味わいを表現しています。

最近は爽やかなワインが増えてきていますが、濃厚で味わい豊かなワインにこだわり、今も造り続けています。

HPを見ると「気取らずに飲んで欲しいワイン」と書いてありました。

California Chardonnay

私は何度かこちらのワインを飲んでいますが、シャルドネのワインとカルボナーラを合わせて、王道のペアリングを自宅で楽しみたいと思っています。

まとめ

今回の内容をまとめます。

  • アメリカはワイン生産量は世界第4位、消費量は世界第1位のワイン大国。

  • 大航海時代にアメリカワインがスタートし、禁酒法によりワイン産業が衰退した時もありましたが、パリスの審判でアメリカワインの魅力を広く伝え、ワイン大国となる。

  • ワイン法はブドウ栽培地域に限って規定するA.V.A.もある。

  • アメリカワインの80%はカリフォルニア州で造られている。

  • カリフォルニア州は暖かい気候だが、カリフォルニア海流と海岸山脈の効果で涼しい気候の場所がある。

  • 涼しい気候のナパ郡ロス・カーネロスAVAやソノマ郡ロシアン・リヴァー・ヴァレーAVA、モントレー郡ではピノ・ノワールが広く栽培されている。

  • 暖かい気候のナパ郡でも上の方に位置する場所や、セントラル・ヴァレーではカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルが広く栽培されている。

  • カリフォルニア州の固有品種、ジンファンデルの聖地はローダイAVA。

  • シャルドネは各地で栽培されていて、様々なスタイルのワインが造られている。

  • ブレッド&バターワイナリーはカリフォルニアの伝統的スタイルとも言える濃厚で味わい豊かなワインを造り続けている。

今回は「ワインの学び」をお送りしましたが、いかがでしたか?

少し難しい内容もありましたが、知ってワインを飲むとまた新たな発見があるかと思います。

アメリカワインを飲むときに、この内容を少し思い出してワインを楽しんで頂けると嬉しいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次