フランスワイン旅④|ジュラ地方を訪問

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

フランスワイン旅③| ブルゴーニュ地方コート・ドール地区のグラン・クリュを巡る」はいかがでしたか?
コート・ドール地区にある2つの生産者訪問と畑(グラン・クリュ)をご紹介しました。
素晴らしいワインを造るために生産者はいろいろな挑戦や工夫を行っています。

まだ読んでない方は、是非こちらから宜しくお願いします。

今回は旅の目的、3つ目です。
フランスワイン旅①|旅のプラン」にて旅の目的を4つご紹介しました。

・栄光の3日間に参加(ブルゴーニュ地方)
・ブルゴーニュ地方コート・ドール地区のグラン・クリュを巡る
・ジュラ地方を訪問
・シャンパーニュ地方を訪問

まだ読んでない方は、是非こちらから宜しくお願いします。

今回はフランスのジュラ地方の旅行記です。
ジュラ地方のみで造られる特別なワイン「ヴァン・ジョーヌ」のご説明から畑、生産者訪問まで写真たっぷりでお伝えしますので、最後までお楽しみ下さい。

目次

ジュラ地方

ジュラ地方はフランス東部、スイスとの国境に位置する山に囲まれたフランス最小のワイン産地です。
ブルゴーニュから車で2時間弱とそこまで離れていないのですが、隔離された秘密の場所みたいなイメージがあり、知らない方も多いと思います。

フランシュ・コンテ地方はジュラ地方とも呼ばれています

景色が良く可愛い街でしたので、記事の最後にジュラ地方の魅力を写真でご紹介します。

ヴァン・ジョーヌ

ジュラ地方ならではの特徴的なワインはいくつかありますが、代表的なワインは2つです。

・Vin Jaune(ヴァン・ジョーヌ)
・Vin de paille(ヴァン・ド・パイユ)

今回はヴァン・ジョーヌに特化してお話しします。
フランスワイン旅①|旅のプラン」でもご説明しましたが、もう一度、ヴァン・ジョーヌの醸造方法について復習です。

ヴァン・ジョーヌの規定

・サヴァニャンという白ブドウ品種で醸造
・ウイヤージュ(補酒)は行わない
・最低6年間の熟成

一般的なワイン造りは、アルコール発酵を行い、その後に樽でワインを熟成・貯蔵する際、「ウイヤージュ」日本語で「補酒」という作業を行います。
樽の中でワインを寝かせると、ワインは蒸発したり樽がワインを吸うため目減りします。
(この目減りを「天使の分け前」と呼びます)
目減りした空間は酸素ですので、ワインは酸化します。
このワインの酸化を防ぐ作業がウイヤージュで、1週間に1回ぐらいの頻度で、その目減り分にワインを足します。

しかし、ヴァン・ジョーヌはウイヤージュを行わず、敢えて酸化させて造ります。
しかも、その状態で6年間熟成させるのです。

ワインを足されず、樽の中で放置されたワインはどのような反応を起こし、どんな味わいになるのでしょうか?
見ていきましょう。

生産者訪問

2つの生産者を訪問し、醸造について教えて頂きました。

ドメーヌ・マクル(Domaine Macle)

Domaine Macle

とても素敵なワインを造る私の大好きな生産者です。

カーヴを案内して頂きました。

ウイヤージュを行わず、樽の中で放置されたワインはどうなるのでしょうか?
答えはワインの表面に酵母(産膜酵母)による膜が出来ます。

樽の中の産膜酵母

ワインは産膜酵母の下で守られて、適度な酸素と触れながら6年以上の熟成を行います。

暑い環境にワインを置くと、産膜酵母を厚くする事が出来るそうですが、マクル氏は産膜酵母が薄い方がフィネス(精妙さ)があると考えているそうです。

また、蔵や樽に酵母がいるので樽は基本的に洗わず使い続けているそうです。

150年前の樽

6年以上の熟成が必要なため、カーヴにはたくさんの樽があります。

カーヴ
カーヴ

樽をよく見ると、テイスティングをする際のワインの注ぎ口が不思議な所にあります。

樽の注ぎ口

これにも理由があります。

・ウイヤージュをしないためワインの量が少ない事
・産膜酵母を壊さず、ワインを注ぐため

いかがでしょうか?
ヴァン・ジョーヌが特別なワインである事、ドメーヌ・マクルのワイン造りへの情熱を私は感じました。

ワインはヴィンテージ違いでたくさん試飲させて頂きました。

テイスティングワイン

酸味とミネラル、クルミやナッツの独特な風味とドライフルーツのような果実のアロマもあります。
サヴァニャン(白ブドウ品種)がワインの芯となる骨格を与えてくれるとマクル氏がおっしゃってました。
力強さとエレガントな優しいニュアンスも持ち合わせた素晴らしいワインでした。

訪問前から大好きなドメーヌ・マクルでしたが、実際にお会いして、ワイン造りのお話しを聞き、もっと大好きになりました。
ありがとうございます。

ドメーヌ・リュシアン・アヴィエ(Domaine Lucien Aviet et Fils)

Domaine Lucien Aviet et Fils

とても可愛いカーヴでお話しをお聞きしました。

カーヴ

ヴァン・ジョーヌなどの白ワインは長期熟成が必要なため、赤ワインの醸造も積極的に行っているそうです。

テイスティングワイン

プールサール(黒ブドウ品種)で造られた赤ワインは購入し、皆んなで頂きましたが、とても好評でした。
高い酸味と落ち葉のような素朴な味わいはジュラ地方の景色にぴったりのワインと感じました。

たくさんのワインを試飲させて頂き、ありがとうございます。

ジュラ地方の魅力

ここからは畑の写真と街並み、名物をご紹介します。

畑:Chateau Chalon/シャトー・シャロン
畑:Chateau Chalon/シャトー・シャロン
街並み
街並み
レストラン
郷土料理:ヴァン・ジョーヌ煮込み

今回は頂けなかったのですが、コンテやモン・ドールというチーズも有名です。

コンテ
モン・ドール

まとめ

「ジュラ地方を訪問」は以上になります。
いかがでしたか?

山に囲まれてひっそりとした場所で、五大白ワインの1つ「ヴァン・ジョーヌ」は造られていて、醸造方法や味わい、全てにおいて特別という事がわかります。

もっと知りたい方は、是非、私に聞いて頂けると嬉しいです。

次回は「シャンパーニュ地方を訪問」です。
スパークリングワインの名産地、シャンパーニュ地方の旅行記です。
こちらでも生産者を訪問し、楽しくワインの醸造について教えて頂きました。

次回もお楽しみに!

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この記事を書いた人

CAMOS TOKYOスタッフのNAOです。
【JSA認定ワインエキスパート / WSET LEVEL3 / チーズプロフェッショナル】
ワインに興味はあるけど、難しそうだからちょっと…という方がワインの世界に飛び込むきっかけとなる記事 & ワイン会のお手伝いが出来ればと思ってます。

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