フランスワイン旅⑤|シャンパーニュ地方を訪問

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

フランスワイン旅④|ジュラ地方を訪問」はいかがでしたか?

生産者を訪問し、ジュラ地方のみで造られる特別なワイン「ヴァン・ジョーヌ」の魅力をお伝えしました。
ジュラ地方の街並みなども写真たっぷりでご紹介してますので、こちらも宜しくお願いします。

今回は最後の旅の目的になります。
フランスワイン旅①|旅のプラン」にて旅の目的を4つご紹介しました。

・栄光の3日間に参加(ブルゴーニュ地方)
・ブルゴーニュ地方コート・ドール地区のグラン・クリュを巡る
・ジュラ地方を訪問
シャンパーニュ地方を訪問

今回はご存じの方も多いはず!!
スパークリングワインの名産地、シャンパーニュ地方の訪問記です。
シャンパーニュの製法については以前にも書かせて頂きましたが、今回は生産者から直接教えて頂きましたので、是非、最後までお楽しみ下さい。

目次

Les Riceys(レ・リセ)

ブルゴーニュ地方のボーヌという街から車で1時間半ほど北上した所に、シャンパーニュ地方で1番南に位置する「コート・デ・バール地区」があります。

地図を見るとシャンパーニュ地方とブルゴーニュ地方が隣接してる事がわかります。

フランス地図

シャンパーニュ地方の超近くの畑でブドウを収穫し、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の製法でスパークリングワインを造っても、ブルゴーニュ地方で収穫したブドウから造られるスパークリングワインはシャンパーニュとは名乗れず、「クレマン・ド・ブルゴーニュ」となります。
シャンパーニュ地方で収穫されたブドウである事が大切なのです。

シャンパーニュは主に以下の品種から造られます。

・シャルドネ
・ピノ・ノワール
・ムニエ

コート・デ・バール地区は果実味フレッシュなピノ・ノワールが多く栽培されています。

レ・リセの畑
レ・リセの畑

それでは訪問した生産者をご紹介します。

Guyard Lamoureux(ギュヤール・ラムルー)

Guyard Lamoureux

当初予定していた生産者を訪問すると不在で連絡もとれない…
急遽、Google マップで見つけた近くの生産者に電話。
当日、しかも後10分で行きます!
これに対応してくれる、素敵で楽しい生産者、Guyard Lamoureuxには本当に感謝です。
ありがとうございます。

Guyard Lamoureuxは1.5hの畑を所有、1年間に7000本のワインを醸造しているRM(レコルタン・マニピュラン)です。

ここでNMとRMについてご説明します。

★NM(ネゴシアン・マニピュラン)
ブドウを栽培している農家からブドウを買って、そのブドウを使って醸造する生産者です。
一部自社畑で栽培しているブドウを使っている事もあります。
よく知られているドンペリ(ドン・ペリニヨン)やモエシャン(モエ・エ・シャンドン)など大きな生産者はNMです。

★RM(レコルタン・マニピュラン)
自分の畑でブドウを栽培し、そのブドウを使って醸造、瓶詰めまで行う生産者です。
小規模な生産者が多いです。

NMは毎年、いつ飲んでも安定した味わいが楽しめるのに対して、RMはその土地のテロワール(風土)を表現した個性ある味わいが楽しめます。
どちらにもメリットがあります。

今回訪問したGuyard LamoureuxはRMであり、40%のブドウはNMに渡し、残りの60%のブドウは自分で醸造し、友人に売っているそうです。
輸出などもしておらず、趣味のような感じでシャンパーニュを造っているとおっしゃってました。

ここで、冒頭のお話しを思い出して下さい。
もしもブルゴーニュ地方に畑を所有していたら、出来上がったワインはシャンパーニュでは無く、クレマン・ド・ブルゴーニュです。
シャンパーニュとクレマン・ド・ブルゴーニュでは値段の差は大きく、シャンパーニュの方が断然高価です。
趣味でシャンパーニュを造りながら生活出来るのはシャンパーニュ地方に畑を持っている特権ですね。

シャンパーニュの醸造

では、生産者から実際に学んだ醸造についてご紹介します。

ベースワインの醸造

シャンパーニュを造る際、まずはベースとなる白ワインを醸造します。

白ワイン醸造中のタンク
白ワイン醸造中のタンク

まだ瓶内二次発酵に取り掛かっていないため、このタンクの中には今年のベースワインが入ってます。
瓶内二次発酵でアルコール度数が上がるため、ベースワインのアルコール度数は10.8%だそうです。

ピノ・ノワールとシャルドネのベースワインを飲ませて頂きました。
シャルドネはシャープな酸が爽やかな印象に対し、ピノ・ノワールは高い酸味と力強さを感じました。
貴重な体験が出来てとても嬉しかったです。

動瓶(ルミュアージュ)

動瓶とは瓶内二次発酵を終えて瓶の中に残った澱を取り除く作業です。
毎日瓶を回転させる事で、瓶を水平状態から倒立させ、瓶口に全ての澱を集めます。
手作業と機械の両方で行っているそうです。

瓶の中の澱
手作業(ピュピトルによるルミュアージュ)
自動動瓶機(ジロパレット)

手作業で瓶を回転させる様子を見せてくれたのですが、掛け声が凄かったです笑

ルミュアージュの様子

澱抜き(デゴルジュマン)

澱抜きとは瓶口に集まった澱を取り除く作業です。
瓶口をマイナス27度の溶液に浸し、澱ごと凍らせます。
そして王冠を抜栓すると凍った澱がガス圧により飛び出します。

私も今回、知ったのですが、王冠の他にポリエチレン製のキャップが入っていて、ここに澱を集めています。
これにより効率よく澱を取り除く事が出来るのです。

ポリエチレン製のキャップ(ビデュル)
デゴルジュマン

打栓

気圧があるので、このような大きなコルクで栓をします。

打栓

まとめ

「シャンパーニュ地方を訪問」は以上になります。
いかがでしたか?

これだけ手間暇かけて造られているシャンパーニュ、美味しくて高価なのも納得ですよね。

Guyard Lamoureux 訪問の最後に試飲させて頂き、1本シャンパーニュを購入しました。
思い入れがあり、日本では購入出来ないとなると飲むタイミングに迷います笑

また、息子さんが醸造の学校に通っているそうで、もしかしたら息子が輸出するかも…
とおっしゃってました。
日本で売られる日が来るかと思うと楽しみです。

これでフランスワイン旅は終了です。
楽しんで頂けましたか?

私はワインを好きになってから、ずっとワインを目的にフランスを旅したいと思っていましたが、コロナやデモがあり、なかなか行けませんでした。
そのため、今回の旅は今まで経験した海外旅行の中でも特に印象に残る旅となりました。

フランス旅行の旅費や天気、交通機関などワイン以外の事でも気になる事があれば、私に聞いて頂けると嬉しいです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

CAMOS TOKYOスタッフのNAOです。
【JSA認定ワインエキスパート / WSET LEVEL3 / チーズプロフェッショナル】
ワインに興味はあるけど、難しそうだからちょっと…という方がワインの世界に飛び込むきっかけとなる記事 & ワイン会のお手伝いが出来ればと思ってます。

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