【後編】シャンパーニュを選べるようになる | シャンパーニュの応用編

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

今回はシャンパーニュの応用編をお送りします。

前編ではシャンパーニュの基礎知識として、スパークリングワインが全てシャンパーニュでは無いこと、シャンパーニュ地方は冷涼な気候であり、スパークリングの生産に理想的な土地である事、品種や醸造など様々な条件を満たさなくてはシャンパーニュと名乗る事は出来ない事、そして最後にラベルの見方をご紹介しました。

まだ読んでいない方は、こちらから是非、読んでみて下さい。

応用編では、シャンパーニュの造り方とシャンパーニュ地方のそれぞれの地区の特徴をご説明します。

ますますシャンパーニュの虜になる内容になっていますので、最後までお楽しみ下さい。

目次

醸造

シャンパーニュ造りに使うブドウはシャンパーニュ地方で育ち、手摘みによって収穫されたブドウ、主に3品種、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエです。

ベースワイン(白ワイン)の醸造

※今回は白泡に絞ってお話しします。
(ロゼは除く)

ベースとなる白ワインを造ります。

ここで、このような疑問はありませんか?

黒ブドウであるピノ・ノワールとムニエから白ワインが造れるのでしょうか?

答えは造れるます。

赤ワインの色は果皮(ブドウの皮)からの抽出によるもので、黒ブドウの果皮も一緒にアルコール発酵を行うため、赤い色がつきます。

黒ブドウも皮を剥くと、果肉は白ブドウと同じ淡い色をしています。
※一部例外で果肉も赤いブドウもあります。

シャンパーニュに使う白ワインを造る際、ブドウをとても優しく潰し、果汁のみでアルコール発酵を行うため、色はほとんど抽出されません。

調合

品種の違うワインやリザーヴワイン(過去の取り置きワイン)を調合します。

前編のラベルの読み方で、シャンパーニュ地方は冷涼な気候のため、ブドウが完熟する時もあれば、出来ない年もあるとお話しました。

造り手は毎年、安定した味わいのシャンパーニュをお客様に届けしたいと考えます。

そのため品種の違うワインや残しておいた過去に造ったワインをブレンドして、味わいの調整を行います。

調合は品質の安定、年によって味わいの違うシャンパーニュが出来る事を避けるために、とても大切で欠かせない作業になります。

瓶詰め

調合したワインを瓶に詰めます。

その際、糖と酵母も加えます。

加える理由は、前編でお話ししました、瓶の中で2回目のアルコール発酵を行い、炭酸ガスを得るためです。(瓶内二次発酵)

瓶内二次発酵

2回目のアルコール発酵を行います。

これにより炭酸ガスはワインに綺麗に溶け込みます。

アルコール度数も上昇します。

瓶内熟成

瓶内二次発酵が終わったボトルは水平に保管されます。

シャンパーニュを飲んだ時に、トーストやビスケットのような風味を感じた事はありませんか?

この風味は瓶内熟成により生まれています。

瓶内二次発酵により全ての糖を分解した酵母は澱となりワインの底に沈殿します。

この澱が酸素の作用で自己分解を起こし、アミノ酸などの様々な成分を生み、ワインに旨味を与えてくれます。

動瓶

水平のボトルを倒立させて、澱を瓶口に集める作業です。

ピュピトル

このような穴の空いた木の板(ピュピトル)に瓶を刺し、毎日少しづつ瓶を回転させます。

澱抜き

瓶口に集めた澱を抜く作業です。

瓶口を溶液に浸して、澱を凍らせます。

そして抜栓(栓を開ける)すると凍った澱が飛び出します。

糖分調整

澱抜きで減ってしまった分のワインと、最後の甘味調整のため、糖を足します。

前編のラベルの読み方で甘辛タイプ表示があるとお話ししました。

こちらの表を覚えてますか?

糖分量ラベル表示用語テイスト
0〜3g/Lブリュット・ナチュール極辛口
0〜6g/Lエクストラ・ブリュット極辛口
0〜12g/Lブリュット辛口
12〜17g/Lエクストラ・セック中辛口
17〜32g/Lセック中辛口
32〜50g/Lドゥミ・セック甘口
50g/L超ドゥー極甘口
甘辛タイプ表

この糖分調整で加えた糖分量によって極辛口から極甘口までのテイストになり、ラベルに表示されます。

打栓

栓をして、糖分調整で加えたワインと糖が馴染むように寝かせます。

※今は動瓶や澱抜きから打栓まで機械で行う生産者もいます。

以上がシャンパーニュの醸造方法です。

いかがでしょうか?

私の感想はきめ細かい泡とあの複雑なテイストを表現するために、物凄く手間暇かけて造られていると感じました。

シャンパーニュが高級ワインと言われるのも納得ですよね。

3地区のブドウ栽培地

次にシャンパーニュ地方にある主に5地区のブドウ栽培地の中でも代表的な3つの地区についてご説明します。

シャンパーニュ地方

ピンク:Montagne de Reims(モンターニュ・ド・ランス地区)

ランスとエペネスの間に位置する、なだからな丘にブドウ畑は広がります。

土壌の関係で、ピノ・ノワールが多く栽培されている地区です。

オレンジ:Vallée de la Marne(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区)

マルヌ川の両岸にブドウ畑は広がります。

谷の影響で霜の被害が受けやすいため、病気に強いムニエが多く栽培されている地区です。

ミドリ:Côte des Blancs(コート・デ・ブラン地区)

エペネスの南にブドウ畑は広がります。

「白い丘」、名前の通り白亜の大地が広がり、シャルドネが多く栽培されている地区です。

まとめ

シャンパーニュ応用編のまとめです。

  • きめ細かい泡と複雑なテイストを表現するために、手間暇かけて造られている。
  • シャンパーニュ地方には代表的な3つの地区があり、それぞれの地区で環境にあった品種が育てられている。

2回に分けてシャンパーニュの魅力をお伝えしましたが、いかがでしたか?

スパークリングワインの中でも特別なシャンパーニュ、プレゼントやお祝いはもちろん、自分好みのスタイルを見つけて楽しむのも素敵ですよね。


※7/27(木) シャンパーニュを含む、真夏のスパークリングワイン会を開催します。
いろいろなスパークリングワインを飲み比べましょう!

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