オレンジワインの魅力 | 醸造から歴史、おすすめワイン・ペアリングまでしっかりご紹介

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

前回のCOCO FARM & WINERY 旅行記はいかがでしたか?

ワイナリーの歴史やこだわりのワイン造りなど、COCO FARM & WINERYの魅力をお伝えしました。

まだ読んでない方は是非、こちら から宜しくお願いします。

実はワイナリー訪問の際、オレンジワインも試飲させて頂きました。

「オレンジワイン」、聞いた事はあるけどよくわからない…という方も多いと思います。

今回はオレンジワインの歴史や醸造方法、おすすめワイン・ペアリングまでたっぷりとご紹介しますので、是非、最後まで読んで、オレンジワインの理解を深めて頂きたいです。

また、「オレンジワインと自然派ワインの関係」ついても触れていますので、ワインに詳しい方も是非、最後まで宜しくお願いします。

オレンジワインとは

オレンジワインを簡単に言うと、こんな感じかと思います。

オレンジワインとは

白ブドウを赤ワインの醸造方法で造るワイン。
白ワインと赤ワインの中間の味わいとなり、食事にも合わせやすいワイン。

醸造方法

初めに醸造方法を見ていきたいのですが、オレンジワインの前に軽く、白ワインと赤ワインの醸造方法の違いをご説明します。

白ワインと赤ワインの醸造方法の違い

白ワインと赤ワインの醸造方法の違いをまとめると以下になります。

白ワインの醸造方法

収穫した白ブドウの果汁を絞り、果汁のみアルコール発酵を行って造るワイン。

赤ワインの醸造方法

収穫した黒ブドウを果皮(ブドウの皮)ごと一緒にアルコール発酵を行って造るワイン。

使用するブドウの違いと、果皮の成分の抽出する工程があるか、無いかの違いになります。

オレンジワインの醸造方法

では、オレンジワインの醸造方法を見ていきましょう。

オレンジワインの醸造

収穫した白ブドウを果皮ごと一緒にアルコール発酵を行って造るワイン。

言い換えると、「白ブドウを赤ワインの醸造方法で造るワイン」となります。

オレンジワインの醸造は、白ワインと違い、果皮の成分を抽出する工程がある。
と覚えて欲しいです。

果皮の成分を抽出する方法

果皮の成分を抽出する方法についてご説明します。

マセラシオン / 醸し(かもし)

アルコール発酵中、又はアルコール発酵後も果汁(ワイン)と果皮を接触させる。
長いと数ヶ月もの間、果皮と果汁(ワイン)を接触させる生産者もいます。

この抽出方法はオレンジワインと赤ワインで必ず行われます。

ここでもう1つ、果皮からの抽出方法をご説明します。

こちらの方法は、白ワインで行われますが、必ずではありません。
生産者が必要あると判断した際に行われます。

スキンコンタクト

アルコール発酵の前に、果汁と果皮を低温で数時間から数日程度接触させる。

どの色のワインでもワイン造る際、ブドウを収穫した後に、破砕(はさい)というブドウを軽く潰す工程があります。

この破砕で出た果汁に果皮を接触させて果皮の成分を抽出するという方法です。

接触後、圧搾(あっさく)という果汁を絞る工程を行い、果汁のみでアルコール発酵を行います。

ここでは、
オレンジワインと赤ワインはマセラシオンというアルコール発酵中、又はアルコール発酵後も果皮と接触させて果皮の成分を抽出する。
白ワインでも、スキンコンタクトというアルコール発酵前に果皮と接触させて果皮の成分を抽出する事がある。

と覚えて欲しいです。

マセラシオンとスキンコンタクトの目的

次はマセラシオンとスキンコンタクトを行う目的についてご説明します。

マセラシオン / 醸し(かもし)

果皮に含まれる色素とタンニンを抽出し、ワインに色と渋みを与える。

スキンコンタクト

果皮から香りを抽出し、そのブドウの持つ特徴的な香りをワインに与える。

オレンジワインと言う呼び名はワインの色から来ています。

スキンコンタクトでは色までの抽出は出来ないため、オレンジワインとはなりません。

またオレンジワインはアンバーワインや醸しワインなどと呼ばれる事もあります。

ここでは、
マセラシオンは色と渋み、スキンコンタクトでは香りをワインに与える。
と覚えて欲しいです。

オレンジワインと自然派ワインの関係

オレンジワインを既に知っている方は、「オレンジワインは自然派ワイン」というイメージはありませんか?

この辺りを詳しく見ていきたいと思います。

自然派ワインとは

なるべく人の手を介さず、自然に造ったワイン。

自然に造ったワインを具体的に言うと、「殺虫剤、除草剤、化学肥料を使用しないブドウ栽培」や「亜硫酸の使用量減らす」などあります。

「亜硫酸」はワインの酸化防止や雑菌効果など、ワインを守る働きがある、食品添加物です。

ワインのテロワールを表現するうえで、食品添加物の使用量は少なく抑えたいと醸造家は考えます。

特に自然に造ったワイン目指す醸造家は、使用しない又は極々少量にしたいと考えます。

そこでオレンジワインなんです。

オレンジワインは白ワインより亜硫酸の添加を減らせます。

なぜかというと、タンニンはワインに色と渋みを与えるだけではなく、酸化防止の働きもあるからです。

一般的に赤ワインと比べて白ワインの方が亜硫酸の添加量は多いです。

これは白ワインにはタンニンがあまり含まれていないからです。

オレンジワインは果皮からタンニンを抽出しているため、白ワインより亜硫酸の添加を減らすことが出来ます。

この理由だけではありませんが、オレンジワインに自然派が多い理由の1つは、「亜硫酸の添加量」にあるとご理解頂きたいです。

ワインの歴史

「なぜ、ここでワインの歴史?」と思う方もいるかと思います。

実はオレンジワインとワインの歴史は深い関わりがあります。

以前の記事、「新世界と旧世界」でワインの歴史に触れた際、このようなご説明しました。

「ワインは紀元前6000年頃、メソポタミアのシュメール人によって造られたと言われています。」

※ジョージア(グルジア)がワインの発祥の地という説もあります。

今回は「ジョージアがワインの発祥の地」について見ていきましょう。

2017年、ジョージアがワインの発祥地という研究結果が発表されました。

2015年までロシア語で「グルジア」と呼ばれていたジョージアは、ロシアとトルコに挟まれた、東ヨーロッパに位置します。

ジョージアの地図

このジョージアで、ブドウの種と酒石酸がついた約8000年前の素焼きの壺が発見されたのです。

素焼きの壺(クヴェヴリ)

ここでジョージアの伝統的なワイン造りについてご説明します。

赤ワインも白ワインもブドウの果皮、果肉、果梗(細かい枝)、種を素焼きの壺(クヴェヴリ)に入れて醸造します。

その際、クヴェヴリは土の中に埋められています。

これにより、ワインの醸造や熟成、保存に最適な温度が維持出来るのです。

と言う事は、「ジョージアではとても昔から自然な醸造方法でオレンジワインが造られていた」と言う事になります。

※ジョージアではオレンジワインを、「アンバーワイン」と呼んでいます。

とても手間暇がかかりますが、今もこの醸造方法でワイン造りを行ってる生産者は僅かではありますがいます。

そして、クヴェヴリを使ったワイン造りは世界的に注目を浴びています。

ここでは、
2017年、ワインの発祥地はジョージアと発表があり、クヴェヴリを使って自然な醸造方法でオレンジワインが造られていた。
そして、この伝統的な醸造方法は今でも行われおり、世界的に注目を浴びている。

と覚えて欲しいです。

おすすめワインとペアリング

オレンジワインについて理解を深めて頂けましたか?

最後におすすめのワインとペアリングについてご紹介します。

おすすめワイン

おすすめワインはもちろん、COCO FARM & WINERYになります。

ワイン名2020 甲州F.O.S.(オレンジワイン)
品種甲州
テイスティングコメント優しい口当たりながら、余韻に程よい渋みと旨味を感じる素敵なワイン。

実はこちらのワイン、クヴェヴリを使って造られています。

COCO FARM & WINERY 制作 クヴェヴリ

写真の大きな甕(かめ)、日本のクヴェヴリを制作して、ワインを醸造しています。

ペアリング

冒頭でもお話ししましたが、白ワインと赤ワインの中間の味わいとなるオレンジワインは食事に合わせやすいです。

爽やかな味わいと優しいタンニンは食事の最初から最後まで、オレンジワイン1本で通す事が出来ます。

個人的には中華とオレンジワインのペアリングが大好きです。

例えば少し辛い麻婆豆腐は、白ワインだとお料理にワインが負けてしまうし、赤ワインだとタンニンがお料理の辛味を強く感じさせてしまう事があります。

オレンジワインなら中間の味わいなので、楽しむ事が出来るのです。

いろいろなお食事と合わせる事が出来る、万能ワインなのです。

まとめ

最後、オレンジワインのまとめです。

白ワインと違い、果皮の成分を抽出するマセラシオンという工程がある。

これによりワインの色は濃くなり、味わいに渋みが生まれる。

渋みの成分であるタンニンは酸化防止剤の役割もあり、亜硫酸の添加量を減らす事が出来るため、自然派ワインが多い。

ジョージアではとても昔から造られており、クヴェヴリを使った伝統的なワイン造りは、今、世界中で注目を浴びている。

白ワインと赤ワインの中間の味わいであり、様々なお食事と合わせる事が出来る万能ワイン。

今はスーパーでも手に入るオレンジワイン。

是非、いろいろなお食事と気軽に合わせて、楽しんで頂きたいです。

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