チーズとワインを手軽に楽しむ

こんにちは。
CAMOSスタッフのNAOです。

ワインの硬いお話しが続いてしまったので、今回はチーズをメインに一緒に楽しめるワインをご紹介したいと思います。

成城石井さんやスーパーなど、気軽に購入出来るチーズをご紹介しますので、是非、最後まで読んで試して欲しいです。

目次

チーズのテロワール

少しチーズについてお話しさせて下さい。

ワインと同じくチーズもテロワール(風土)を表現した食品です。

皆さんご存知の通り、チーズは動物の乳から造られています。

動物は主に牛、羊、山羊ですが、飼育に向いてる環境と不向きの環境があります。

例えば、牛は体が大きいため広い大地で、エサとなる牧草がたくさん生える環境が向いています。

逆に山羊は体が小さく、エサは木の実も食べるので、狭くて牧草があまり育たない乾燥した場所でも飼育する事が出来ます。

人はその環境に合った動物を飼育し、乳を搾取してチーズを造ります。

ワインも同じですよね。

人がその土地にあったブドウの種類を選んで栽培し、ワインを造ります。

その他に、チーズは動物の乳が原料なので、動物が食べた餌によっても色や香り、味わいが変わります。

例えば、夏に青草や花などをエサで食べると、乳の中のカロテンという成分が増えるため、色合いが濃くなり、香りも華やかで味わい豊かなチーズとなりますが、冬は青草が無いため、エサが干し草となります。

すると、カロテンが少なくなるため、色合いは白っぽくなり、香りと味わいはナッツのような深みある素朴なチーズとなります。

また、海の近くの牧草を食べて育った動物の乳と山の牧草を食べて育った動物の乳でも味わいは変わります。

重要ポイント

チーズもワインと同じくテロワール(風土)を表現した食品

是非、覚えて頂きたいです。

チーズの紹介

チーズは造り方でタイプ分けされます。

タイプ別にチーズとペアリングについて見ていきましょう。

フレッシュタイプ

熟成させないタイプのチーズになります。

皆さんもご存知のモッツァレッラはフレッシュタイプのチーズ分けられます。

発祥はイタリア南部のカンパーニア州で、水牛の乳から造られたのが始まりと言われています。

ワインは「グレコ・ディ・トゥーフォ」という白ワインや「ソーヴィニヨン・ブラン」という品種から造られた白ワインを合わせて頂きたいです。

「グレコ・ディ・トゥーフォ」はモッツァレッラの発祥地と同じ、カンパーニア州を代表する白ワインです。

どんな飲み物や食材でも言える事ですが、同じ地域で造られた物同士は合うと言われています。

ペアリングのポイント①

同じ地域のチーズとワインを合わせる

「ソーヴィニヨン・ブラン」という白ブドウ品種から造られたワインは、ハーブの風味が魅力のワインです。

カプレーゼにバジルをトッピングすることにより、ワインにあるハーブの風味と同調させて楽しみましょう。

ペアリングのポイント②

チーズ(お料理)とワインの風味を同調させてる

チーズモッツァレッラ
お料理カプレーゼ
ワイングレコ・ディ・トゥーフォ
ソーヴィニヨン・ブラン
ペアリング

白カビタイプ

チーズの表面が白カビに覆われているタイプになります。

こちらも皆さんもご存知かと思いますが、カマンベールは白カビタイプのチーズに分けられます。

フランスの北西に位置するノルマンディー地方のカマンベール村が名前の由来です。

ワインは「シードル」というりんごのお酒を合わせて頂きたいです。

ノルマンディ地方はりんごの名産地ですので、同じ地域のチーズとワインを合わせて楽しんで頂きたいです。

チーズの付け合わせに、りんごの準備もあると完璧です。

チーズカマンベール
付け合わせりんご
ワインシードル
ペアリング

青カビタイプ

チーズの内部で青カビを繁殖させながら熟成させたタイプになります。

フランス最古のチーズ、ロックフォールをご紹介したい所ですが、あまりスーパーでは見かけないため、今回はゴルゴンーゾーラをご紹介します。

イタリア北部のピエモンテ州やロンバルディア州で造られているチーズです。

「ピカンテ」という青カビ独特の香りと刺激的な味わいが強い伝統的タイプと、青カビが少なめで口当たり優しい、近年造られるようになった「ドルチェ」というタイプがあります。

是非、デザートワイン(甘口ワイン)と一緒に楽しんで頂きたいです。

ペアリングのポイント③

味わいの補完

正反対の味わい、「しょっぱい」×「甘い」などは補完作用で合うと言われています。

チーズの付け合わせに、是非、ハチミツもご用意下さい。

チーズゴルゴンゾーラ
付け合わせハチミツ
ワインデザートワイン
(フランスのソーテルヌ、その他ドイツやハンガリーのトカイなど)
ペアリング

ウォッシュタイプ

チーズの表面を塩水や塩水に地酒を混ぜた液体で洗って表皮を造るタイプになります。

こちらもエポワスというフランス・ブルゴーニュ地方の代表的なチーズご紹介したい所ですが、スーパーではあまり見かけないため、今回はルクロンをご紹介します。

フランスの北東、ジュラ山脈の麓のコンテ地方で造られているチーズです。

ウォッシュタイプのチーズは独特な強い香りと旨味が特徴のチーズですが、ルクロンは食べやすく造られており、穏やかなウォッシュタイプのチーズです。

表皮を洗う事により繁殖する菌(リネンス菌)は納豆菌と同じ種類の菌なので、ウォッシュタイプの独特な香りは納豆の香りと似ていると言われます。

ルクロンのようにクセが穏やかなチーズはウォッシュタイプのチーズを初めて食べる方にはピッタリかと思います。

ワインは「ピノ・ノワール」という黒ブドウ品種から造られたワインをオススメします。

クセのあるチーズなので、ワインが負けないように、優しいタンニンのある赤ワインを合わせて楽しんで頂きたいです。

チーズルクロン
ワインピノ・ノワール
ペアリング

ハードタイプ

長期熟成した、硬いタイプのチーズになります。

製造工程で、他のチーズよりもしっかりと水分を抜くため、長期熟成が可能となり、硬いチーズが出来上がります。

今回はご存知の方も多い、パルミジャーノ・レッジャーノをご紹介します。

「イタリアチーズの王様」と称される、イタリアの北部、エミリア・ロマーニャ州とロンバルディア州で造られているチーズです。

最低でも12ヶ月間は熟成させるため、旨味がたっぷりのチーズです。

ワインは「少し熟成した赤ワイン」か「シャンパーニュ」というフランスのスパークリングワインをオススメします。

熟成しているチーズなので、ワインも熟成による深みのある味わいと合わせて楽しんで頂きたいです。

シャンパーニュも同じく、製造工程で瓶内熟成という工程があり、最低でも15ヶ月は熟成させて、ワインに旨味を与えます。

シャンパーニュの醸造について気になる方は、こちらを読んで頂けると理解が深まります。

ペアリングのポイント④

チーズとワインの格を合わせる


高級なお料理には上質なワイン、気軽なお料理には手軽なワインが合うと言われています。

特別な日に、熟成の長いパルミジャーノ・レッジャーノと熟成した赤ワインやシャンパーニュで少し格の高いペアリングを楽しむのも素敵ですよね。

チーズパルミジャーノ・レッジャーノ
ワイン熟成した赤ワイン
シャンパーニュ
ペアリング

酵母タイプ

酵母によってチーズの表皮が白っぽいタイプになります。

スーパーなどではほとんど見かけませんが、シェーブルチーズ(山羊のチーズ)の多くが酵母タイプになります。

歴史的なお話しになるのですが、フランス・ロワール地方はシェーブルチーズ生産量が多い場所です。

※この歴史的なお話もとても面白いので、別の記事でお話ししたいと思います。

ワインは同じロワール地方の「サンセール」というソーヴィニヨン・ブランから造られた白ワインと合わせて楽しんで頂きたいです。

チーズとワインにある酸味の同調、チーズにやや感じるクセの味わいとワインにあるハーブの味わいが良い感じでマッチして、個人的にも大好きな組み合わせです。

チーズシェーブルチーズ
ワインサンセール
ペアリング

まとめ

今回の内容を地図も使ってまとめます。

★チーズもワインと同じくテロワール(風土)を表現した食品

フランス地図
イタリア地図
ペアリングのポイント

・同じ地域のチーズとワインを合わせる

・チーズとワインの風味を同調させてる

・味わいの補完

・チーズとワインの格を合わせる

私自身もチーズが大好きなので、思った以上にボリュームのある記事になってしまいましたが、いかがでしたか?

テロワールを表現したチーズとワイン、気軽にペアリングを楽しんで頂けたらと嬉しいです。

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この記事を書いた人

CAMOS TOKYOスタッフのNAOです。
【JSA認定ワインエキスパート / WSET LEVEL3 / チーズプロフェッショナル】
ワインに興味はあるけど、難しそうだからちょっと…という方がワインの世界に飛び込むきっかけとなる記事 & ワイン会のお手伝いが出来ればと思ってます。

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